21. 五重の相対の現代的解釈0(導入)

f:id:kuzuresarugajou:20180423231627j:plain

こんにちは。いつもありがとうございます。

 

今回から、五重の相対について説明したいと思います(説明というより私の考えの紹介と言った方が良いかもしれません)。

 

五重の相対とは、日蓮の教え(南無妙法蓮華経)があらゆる思想の中で最も優れているということを5段階の思想比較によって明らかにするというもので、日蓮門流における教学の中でも特に重要なものとして扱われてきました。

 

しかし、現代においては、五重の相対は時代遅れな比較宗教学と見なされ、その有効性が疑問視される傾向にあります。

 

確かに、日蓮が生きたのは鎌倉時代であり、彼が知り得た情報は限られています(例えば、彼はキリスト教についての知識はなかったと思われる)。しかし、それでも五重の相対は、現代においても大きな有効性をもち、なおかつ時代を問わない普遍性を備えた思想比較であるというのが私の考えです。

 

まず、五重の相対の内容は以下の通りです。

1. 内外相対{内道(仏教)と外道(仏教以外)を比較し、内道が優れていることを明らかにする}

2. 大小相対{仏教の中で、大乗教と小乗教を比較し、大乗教が優れていること明らかにする}

3. 権実相対{大乗教の中で、権教(仮の教え、法華経以外)と実教(真実の教え、法華経)を比較し、実教が優れていることを明らかにする}

4. 本迹相対法華経の中で、本門(前半14品)と迹門(後半14品)を比較し、本門が優れていることを明らかにする}

5. 教観相対(富士派では種脱相対)法華経本門の中で、教相(文上)と観心(文底)を比較し、観心が優れていることを明らかにする)

 

以上の5段階の比較によって、少なくとも日蓮が知り得た思想をすべて網羅し、それらの優劣を一定の基準に従って合理的に判別することができます。

 

今回のシリーズでは、日蓮遺文をそのまま解釈するだけでなく、現代の学術的成果なども踏まえることで、五重の相対を現代人にも通用する形で説明することを試みたいと思います。

 

次回は、第1の内外相対を詳細に説明します。

 

※画像は法隆寺の五重の塔です。

20. 創価学会の20年後

こんにちは。いつもありがとうございます。

 

前回、創価学会の年齢別人口の推定を行いました。

 今回は、前回示したデータと併せて、20年後の創価学会がどうなるかを予想したいと思います。なお、前回と同じく、かなり大雑把な予想となりますので、ご了承ください。

 

まず、こちらが前回示した2018年における年齢別人口のグラフです。

f:id:kuzuresarugajou:20180412025637j:plain

このグラフでは、団塊の世代以降、会員が1歳若くなるごとにその数が0.36%減少するものとして計算されています。この0.36%という会員減少率が今後20年間も同じように続くと仮定して計算します。

 

また、60歳以上の会員は、厚生労働省が発表している年齢ごとの平均死亡率に基づいて亡くなるとします。

平成24年簡易生命表の概況|厚生労働省

 

それから、新たに入会するメンバーおよび退会するメンバーは、会員減少率0.36%に折り込み済みであると考え、計算から除外することにします。

 

以上の条件に基づいた場合、20年後の創価学会の年齢別人口は以下のようになると予想されます。 

f:id:kuzuresarugajou:20180421015629j:plain

まず、会員の総数は397万人(2018年)から233万人(2038年)に減少します。会員数=会の勢力と考えるならば、今後20年で創価学会の勢力はほぼ半減するということです。

 

また、高齢者(65~99歳)の比率は、45%(2018年)から56%(2038年)に増加します。一方、若者(0~39歳)の比率は、19%(2018年)から15%(2038年)に減少します。会における高齢化は、今以上に深刻になっているでしょう。

 

それから、公明党は外部の支持層がほとんどなく、票のほとんどを会員票と友人票に依存している状態ですから(そして、おそらく今後もその状態が続く)、学会の衰退はそのまま公明党の衰退を意味します

 

2017年の衆議院選挙では、公明党の得票数は697万票議席29)でした。会員の有権者数と公明党の得票数が単純に比例関係にあると考えるならば、2038年頃に行われる衆議院選挙では、公明党の得票数は、2017年から41%減の413万票になると予想されます。共産党の2017年衆議院選挙における得票数が440万票議席11)であることを考えると、20年後の公明党の勢力はおそらく今の共産党くらいになっていると思われます。

 

しかし、この413万票という数字は、あくまで20年後も今までどおりの効率で選挙活動を行うことができたらの話です。当然、会員数の減少によって創価学会公明党の最大の強みである地域のネットワークは弱まりますし、会の高齢化によって青年層の様々な負担が増大し選挙活動に回すことのできる労働力が低下することが予想されます。そのため、場合によっては今の社民党(2017年衆院選得票数94万議席2)くらいの勢力になっても全く不思議ではないと思います。その場合、今の社民党のように党としての存続すらも危うい状況になっているでしょう(党の成立条件は衆参合わせて5議席以上)。

 

いずれにせよ、創価学会公明党も今後発展するということはありません。戦後から高度経済成長期にかけての華々しい躍進とは逆に、今後は緩やかに衰退しやがて歴史の舞台から姿を消していくでしょう。人が永遠でないように、組織もまた永遠ではないのです。

 

この記事をご覧になっている学会員の方は、どうかこのことを理解した上で、それでも公明党の支援活動に取り組む価値があるのかどうかということをじっくりと考えて頂けたらと思います。

 

次の記事 

19. 創価学会の年齢別人口の推定

近年、創価学会の若年層の減少が非常に激しいです。同時中継や座談会の参加者を見ても、大半はお爺ちゃんお婆ちゃん世代で、20代30代の青年はごく少数、10代の少年少女に至ってはほぼ絶滅危惧種という状況です。

 

そこで、気になるのが創価学会の年齢ごとの人口です。今回は、個人的に見聞きした情報や、他の方の検証をふまえて、創価学会の現時点での年齢別人口を推定してみたいと思います。なお、この推定はかなり大雑把なものとなりますので、あらかじめご了承ください。

 

まず、創価学会の会員で最も多いのは団塊世代(1947年~1949年生まれ)です。これは、創価学会の発展の歴史から見てもほぼ確実と思われます。

 

また、会員の総数ですが、既に多くの方によって検証がなされており、およそ300万~500万人程度であると推定されています。今回は400万人と仮定します。

 

そして、これは私が昨年に本部職員の方から直接伺った話ですが、「活動家の人数は一世代下がるごとに約1/3になる」とのことでした。これは、同時中継や座談会の参加者を見ていても実感できる妥当な減少率だと思います。活動家をやめた会員は子供を入会させる確率は低いと思われるので、今回はこの一世代ごとに1/3という値を会員の減少率として採用することにします。

 

また、世代交代にかかる年月ですが、現在、第一子の出産年齢の男女平均は30歳です。団塊世代が生まれた頃の出産年齢の男女平均が24歳であったことと、第一子だけでなく第二子、第三子が生まれる場合もあることを考慮して、世代交代には30かるとして計算することにします。その場合、年間ごとの会員減少率は(1/3)^(1/30) = 0.964、すなわち3.6%となります。

 

この会員減少傾向が、いつ頃から始まったかのは不明ですが、今回は団塊の世代の次の年(1950年)から始まったことにします。

 

また、蓮の落胤さんが本部職員の方から伺った話では、未来部(017歳の会員)の合計が現在約20万人とのことでしたので、これも考慮します。

未来部合計20万人の現実 - 蓮の落胤-創価学会、話そうか

  

また、1949年より以前に生まれた会員の人数は、日本の年齢別人口と相関するとします(総務省人口統計局のデータを参考)。http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2016np/index.html 

 

これらの情報から導き出された創価学会の年齢別人口が、以下のグラフになります。 

f:id:kuzuresarugajou:20180412025637j:plain

このグラフでは、団塊世代(69〜71歳)から未来部にかけて等しい比率で人口が減少していますが、実際は第二次ベビーブームの影響で、44〜47歳の部分の曲線がもっと盛り上がっていると思われます。しかし、全体の減少傾向としては、おおよそこのようになっていると思われます。

 

同時中継や座談会の参加者の年齢層を考えると、違和感のないグラフであると私は感じます。私の住んでいる地域は、高齢の会員が比較的多いとされる都内なので、異なる地域にお住まいの方は違った感想をもたれるかもしれません。

 

このグラフで気になる点は、蓮の落胤さんが算出した青年部120〜150万人に対して、青年部53万人と大幅に少ないことです。個人的には、青年部120〜150万人が未来部20万人に急激に減少するのは、少し無理があるような気がしています。これに関しては、どなたかご意見をいただけると助かります。

 

いずれにせよ、このグラフから創価学会がいかに危機的な状況にあるかがご理解いただけると思います。現在ですら、活動の主力である青年部が不足しており、中年期や高齢期の会員が仕事を回さなければ組織が立ち行かない状況です。その上、未来部がたった20万人しかいないのであれば、今後も青年部が減少し続けることは避けられません。多くの方が言われているように、20年後には組織が壊滅していても全く不思議ではないのです。もし壊滅は免れたとしても、現行の体制を維持することはまず不可能であり、大幅な活動規模の縮小を余儀なくされるでしょう。

 

よく言われている「少子化だから」という言い訳は通用しません。以下に、日本の年齢別人口と創価学会の年齢別人口の比較を示します。

f:id:kuzuresarugajou:20180412025758j:plain

ご覧の通り、創価学会少子化は日本の少子化とは比べ物にならないスピードで進行しています

 

はっきり言って、創価学会の青年育成は失敗しました。

 

私は、会員数が多いことや増えることが成功の証だというつもりはありません。ですが、いくら創価学会が「大勝利」「大躍進」を叫んだところで、この現状を勝利や躍進だと思う人は一部の狂信者を除いて誰もいないでしょう。

 

そろそろ創価学会は現実を直視して、教義のこと、活動のこと、体制のこと、そして今まで社会に行ってきた様々なことに対して真剣に向き合う時が来ているのではないでしょうか。そうした総括を抜きにして、今までのように盲信しながら突っ走り続けても、輝かしい未来など絶対にやって来ないのです。

 

次の記事